帝國食堂

口コミ
原石を発見した・・・
zeffiro(73) [携帯電話番号認証済]
2013/05最終訪問
★★★★★5.0
(詳しい評価)

★★★★★5.0
2013/05訪問
3月にオープンしたばかりの小さなレストラン。ビストロ・スタイルのフランス料理屋、と言っていいんだと思う。
この店に行ってみたいと思ったきっかけは、「たまたま近くに店が出来たから覗いてみた」というだけ。
「帝國食堂」というノスタルジックな名前に心惹かれたわけではないし、そこからイメージされがちな「昔ながらの洋食屋」という内容ではなさそうだ。

パスタ料理もメニューに載っているらしいが、今回は内容も聞かずに飛ばした。
その訳は、ここのシェフの、どうやっても隠しようのない「フランス料理人の匂い」というか・・・フランスにおける星付きレストランの、系統立てた技術・教育が施されている形跡とでもいう立ち居振る舞い、雰囲気が伝わってきたから。
いかにも優等生的に聞こえるかもしれないが、決して「鼻持ちならない」という意味ではなく、ましてや「イタリア料理人」のそれと比較しているわけでもない。
一流を感覚としてでも現地で捉えてきた上での--それをきっかけに模索してきた--結果であり、この手の料理人にとっては必要な素養・姿勢でもあると思う。

仮にそうなら、帰国後の、あの世界特有の気苦労も厄介なものだっただろう。

となれば、まずは、そっちから見てみないことには。

疲れている上に、ただ「今日は夕食の用意もしたくない」という理由で近場を選んだという経緯もあり、お酒はグラスでいただくことにした。

– グラスでシャンパーニュを。
 「グラスだと、別のもの(泡)になってしまいます」「イタリアの・・・」
– じゃあ、スプマンテで。
 「いや、スプマンテではなくて・・・」

シェフの手にあったボトルには、老眼気味の私には見えにくい小さな字で「Prosecco Conegliano Valdobbiadene」と記されていた。

– あぁ、プロセッコね。それいただきます。

ワインに関しては、西麻布にしては少々弱気な気もするが、まだオープンして間もない小さなお店に、シャンパーニュを開けさせるのは荷が重かったのか。

ここの料理に対する期待が変わらなかったのは、事前にブログの料理写真を拝見していたから。
そこには、高価な食材がふんだんに使われているという訳では決してなかった。
かといって、ものすごく手が込んでいるわけでもない・・・
それでも、盛りつけの「ちょっとした」感覚・感性が好きで、真面目で丁寧。少なくとも「魚の火通し」は文句なしに見えた。
言っても、シェフ一人で作ってる店だから、手数は知れたものだが。

初めに出されたアミューズは「グリーン・オリーヴのコンフィ」
ただの「オリーヴ」って言ってしまえば、それまでなんだけどね。けっこう美味いよ、これ。
こんなものでも「3時間100℃以下のオーブンで、ゆっくり香りを引き出す」なんて手間なこと、そこらの「イタリアンもどき」じゃやらない。
その方がいいかどうかと言うことより、自分の出すもの全てに対する姿勢の問題なんだ。
「仕入れてきたものを、そのまま瓶から出して終わり」っていう店が世間には多い上、こんな立派なグリーン・オリーヴどころか・・・ま、いいや。

次に頼んだのは、「パテ・ドゥ・カンパーニュ」と「自家製ソーセージ」
別段驚きはないが、普通に美味しい。
丁寧に作られているのは解るし、値段にも文句はないが・・・盛り付けが寂しい気もする。
例えば、パテについてきた「きゅうりのピクルス」にしても、何種類かの野菜でカラフルにしてみたり、カリフラワーにはカレー・スパイスを混ぜる、とか変化が欲しいところ。ロンバルディア風にモスタルダを少しだけ、ピクルスと一緒に盛るってのでも楽しい。
ソーセージにしても粒マスタードだけ添えるなら家でも出来る。
じゃがいもや根セロリなんかのピュレに乗せて、ソースを回して出されたりするだけでも、一品料理っていう雰囲気がでてくる。
ついでに、色とりどりの野菜チップスがガサッとあったら気が利いてる。見た目も華やかだし、ピュレやマスタードに付けて摘まんだりしてお酒も進むし、次の料理までの時間つぶしに調度いいのになぁ。英字新聞で籠作って出してくれたビストロがどっかにあったっけ。

ポワソンは黒鯛。
頭で丁寧にとったスープ仕立て。
そこに蕪やズッキーニ、ベビー・コーンに赤タマネギといった野菜を浮かべ、魚を乗っけている。
ありがちな盛りつけの、ありがちな料理ではあるものの、それぞれを丁寧に用意していなければ全てが無駄になる料理。
スープもいい味してるし、やっぱりこのシェフの火通しは素晴らしい。

今日は、店が暇なのをいいことに、ずっとシェフ(横田さん)にカウンター越しから話しかけていた。

ここらで、彼が若い頃、やはりフランスに滞在していたことが判明。
それも、スタージュ先がアルザス・ストラスブールの星付き「Buerehiesel」。調べたら、現在は一つ星にまで落ちているらしい。私が滞在していた頃は三ツ星だったが、息子さんに代替わりした際に、先代が返上していたようだ。
彼が働いていた頃はどうだったのか・・・いずれにせよ、スタジエとは言え、だれでも入れるわけじゃないのは、今も昔も変わっていないと思う。
帰国してすぐは、レストランでのサービスを任されるなど、紆余曲折あった後、四谷のイタリアンから抜擢された、というわけらしい。

メインは、様々なお肉やフォワグラをパート・ブリックで包んで焼いたものに、ポルト(もしくはワイン)で作ったソースを掛けていただくもの。
このソースの感覚からして、バリバリのフレンチ。
ソース自体は、しっかりした美味しいものだけど、全体としては少々油っぽく重たい。
フォワグラを混ぜたせいか・・・だとすれば入れない方が、このソースには良いようにも思う。
牛や鹿の赤身肉の方が合うだろう。店のスタイルや場所柄から言えば、ドライ・エイジングとか、少々熟成させた肉なんかも誘われる。山鳥ならサルーミの方が好きだが--なかなか手に入らないだろうけど--これで試したい気もする。
でなければ、なるべく厚めの淡白な白身魚がいい。
あえて、この包みに合わせるソースが何かと聞かれれば、酸味の効かせたハーブ系。サルサ・ヴェルデというより、ドレッシング的な感覚が食欲を誘うんだと思う。バローロ・ヴィネガーを使ったソースでも、香り立つ料理になりそうだ。
それでも、ワインとの相性など諸々あって、ソースの系統を変えたくないならば・・・故ベルナール・ロワゾーなら、上手くやったんじゃないかな。

他には、デザートを一皿、
バルベーラをグラスで1杯とペリエを小瓶で2本。
コーヒーをいただいた。

オープンしたばかりで慣れていないこともあるだろうし、スペシャリテだって決まってないんだろうけど。
でも、この33歳と若いシェフのポテンシャル・エネルギーに期待したい。
丁寧に、志高く、そして楽しく。クオリティはまだまだ上がるに違いない。

磨き足りない、これからの店だけど、今後の楽しみが一つ増えたような気分だ。
次は、このシェフの子羊が食べてみたい。
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■各項目の評価
夜:総合評価:★★★★★5.0
夜:料理・味 :
夜:サービス  :
夜:雰囲気 :〓〓〓〓〓5.0
夜:CP   :〓〓〓〓〓5.0
夜:ドリンク  :
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
昼:総合評価:
昼:料理・味 :
昼:サービス  :
昼:雰囲気 :
昼:CP   :
昼:ドリンク  :
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■使った金額
夜:¥4,000~¥4,999
昼:-
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